一般演題

セッション:ポスター 2
セッション名:体外循環
日時:9月21日 16:10-17:10
場所:404会議室
演題順序:5番目

新型コアテンプ®の人工心肺手術中の正確性の評価

山梨医科大学 医学部 麻酔科1
東京女子医科大学 医学部 麻酔科2
○川村淳夫1、松川 隆1、根岸千晴2、野村 実2、尾崎 眞2、熊澤光生1
【初めに】コアテンプ®(テルモ社)は日本でのみ臨床使用可能な中枢温(核心温)測定装置である。つい最近新規改良品が発売されたので、その正確性を鼻咽頭温を対照として人工心肺中に検討した。
【方法】11名の心臓外科手術患者(中枢温変化は25〜38℃)を対象とした。コアテンプは直径25mmのプローブを前額中央部に貼付し10分以上の安定化時間を経てから測定した。鼻咽頭温はMon-a-therm®(マリンクロット社) を用いて鼻孔より5cmの深さで測定した。両核心温を相関係数(r2)、一致限界にて比較検討した。
【結果】鼻咽頭温と比べてコアテンプは相関係数(r2)が 0.92であり、 傾き(slope)は0.97であった。また、一致限界は 0.0°C であり、 正確性の指標となるstandard deviationは0.9°Cだった(図)。
【考察】コアテンプは熱流補償法の原理(体表面を断熱材で覆って外気温の影響を防ぐと体表面は深部と同じ温度になる)を利用している。今回の新型の製品では1)安定化時間を短縮(15→10分以内)、2)プローブの温度追従性と貼付性を向上、3)プローブの耐ノイズ性と耐薬品性を向上、という改良がなされた。実際に従来機種よりも平衡状態への安定化が迅速であり、測定温度も安定していることが実感された。臨床的に更に有用な中枢温測定機器となったと考えられる。
【文献】Matsukawa T, et al. The accuracy and precision of "deep sternal" and tracheal temperatures at high- and low-fresh-gas flows. Br J Anaesth 1998; 81 (2):171-5.