一般演題

セッション:ポスター 9
セッション名:薬理
日時:9月22日 15:40-16:40
場所:403会議室
演題順序:1番目

モルモット虚血ー再灌流心に対するβ遮断薬の心保護作用の比較

札幌医科大学 麻酔科
○黒沢さおり、金谷憲明、新山幸俊、中山雅康、並木昭義
β遮断薬が心虚血イベントに際して心筋保護作用を示すことはよく知られている。しかしながら、その作用機序は未だ明らかではない。今回われわれは、新しい短時間作用性の選択的β遮断薬ランジオロール(LAN)の虚血−再灌流障害に対する作用をモルモット摘出灌流心を用いて、プロプラノロール(PRO)、エスモロール(ESMO)と比較検討した。
(方法)モルモット摘出灌流心臓をランゲンドルフ法を用いて45分間の虚血後に、60分間再灌流を行なった。虚血に先立って、LAN(20,100,500μM)、PRO(1,10μM)、 ESMO(5,50μM)を10分間投与した。
(結果)60分の再灌流後、対象群では収縮期左室圧(LVP)が、虚血前値の65±3%まで回復した。LAN20,100,500μMでは、LVPはそれぞれ79±4%、109±5%、106±5%まで回復した。PRO1,10μMでは93±5%、102±6%、ESMO5,50μMでは77±13%、99±12%まで回復した。LAN、PRO、ESMOともに投与により、用量依存性に心拍数、LVPを抑制した。LAN500μM、PRO10μM、ESMO50μMは虚血前の心抑制作用が顕著であった。
(まとめ)LAN、PRO、ESMOともに虚血−再灌流心筋に対して再灌流後の収縮力回復を促進し、心保護作用を有することが明らかになった。