一般演題

セッション:ポスター 8
セッション名:プロポフォール・ミダゾラム
日時:9月21日 16:10-17:10
場所:505会議室
演題順序:4番目

プロポフォール・ミダゾラムがフェニレフリン投与時の心拍変動に及ぼす影響

札幌医科大学 医学部 麻酔科
○枝長充隆、金谷憲明、中山雅康、黒沢さおり、並木昭義
【目的】プロポフォール(PF)は自律神経のバランスを変化させ、心拍変動(heart rate variability:HRV)を減少させると言われている。我々は以前、プロポフォールが副交感神経活動を抑制し、HRVの成分であるhigh frequency(HF)を減少させることを報告している。今回、PFのフェニレフリン(PE)投与によるHRVへの影響をミダゾラム(MD)と比較した。
【方法】ASA1の患者20名をランダムにPF群(10名)とMD群(10名)に分けた。PF群はtarget control infusion(TCI)pumpで2μg/mlに設定し、鎮静後にPE 3μg/kgを静注した。HRVはentropy、low frequency(LF)、HF、LF/ HFをモニターし、血行動態(収縮・平均・拡張期圧、心拍数)のPE投与前をbaselineとし、PE投与後の10分間を記録した。MD群は0.05mg/kg静注後に0.1mg/kg/hr投与し、上記の通り検討した。検定はANOVAで行い、p<0.05を有意差ありとした。
【成績】群間での血行動態とHRVに有意差はなかった。PE投与2分後に収縮期血圧は最高値に達し、7分後にbaselineに戻った。HFとentropyは血圧上昇に伴い上昇し、その後baselineに戻った。
【結論】PEはHFとentropy を増加させ、これは副交感神経活動の活性化を示唆した。また、MD・PF共に圧受容体反射による心臓副交感神経活動を保つことが示唆された。