パネルディスカッション

セッション:パネルディスカッション(1)
セッション名:体外循環と炎症反応
日時:9月21日 10:05-11:35
場所:メインホール
司会の言葉

体外循環と炎症反応

鹿児島大学 医学部 麻酔・蘇生学講座
○上村裕一
体外循環は心臓手術中に十分に酸素化された血液を一定の潅流量で全身に送り、心臓と肺の機能を一時的に代行しているが、同時に全身性の炎症反応を引き起こし生体に大きな影響を与えている。その原因は血液が異物である体外循環回路に接触し、様々な生体反応が惹起され高サイトカイン血症が発症することであるが、麻酔科医はこの体外循環の病態生理を理解し、それに対する対策を知らなければならない。
本ワークショップでは、まず岡崎先生に体外循環の病態生理について、体外循環で発生する炎症反応とそれに対する現在の抗凝固療法の関わりを含めてお話ししていただく。川村先生には、体外循環に伴う高サイトカイン血症の実態とそれに対する薬物療法の可能性についてお話しいただく。又吉先生には炎症反応を抑えるための体外循環回路の工夫について、回路の各種コーティングの効果と、閉鎖回路の使用などの新たな手段をお話しいただく。
心臓血管外科の麻酔を行う麻酔科医に、体外循環の利点だけでなく、それによって引き起こされる全身性の炎症反応の実態と影響について知っていただき、その対策を検討したい。