一般演題

セッション:ポスター 8
セッション名:プロポフォール・ミダゾラム
日時:9月21日 16:10-17:10
場所:505会議室
演題順序:1番目

成人心臓手術時の前投薬としてのミダゾラムシロップの使用について

大阪市立総合医療センター 麻酔科
○下野愛子、高木 治、中田一夫、今中宣依、佐谷 誠
目的 ミダゾラムシロップの経口投与は主に小児例で報告されている。今回、成人で心疾患を伴う症例でその投与の有用性、投与方法について検討した。
対象 成人の予定心臓手術症例47例について調査した。麻酔方法はNLAとし、手術翌朝には会話可能な症例とした。
方法 投与量は循環動態に与える影響を考慮して少量に設定した。術前診察時に無作為に0mg/kg(対象群)、0.04mg/kg(A群)、0.06mg/kg(B群)、0.1mg/kg(C群)の4群に分類した。投与時期は手術室入室15分前とした。検討項目は、麻酔導入時の鎮静度、ミダゾラム投与前と手術室入室時の血圧、脈拍、SpO2、さらに手術翌朝にミダゾラム投与後から麻酔導入までの記憶状態の聞き取り調査とした。鎮静度は1:緊張している 2:落ち着いている 3:刺激がないと眠っている 4:熟睡 の4段階評価を行った。記憶状態は1:全て記憶あり 2:部分的に記憶あり 3:記憶なしの3段階で行った。
結果  投与量別にそれぞれの鎮静度・記憶状態を表に示した。全ての症例で呼吸・循環抑制は認めなかった。
考察および結語 ミダゾラムの投与量の増加に伴い、鎮静度および健忘状態も強くなる傾向があった。手術室入室15分前のミダゾラム0.1mg/kgの経口投与で、ほとんどの症例で適切な鎮静度、健忘が得られた。しかし、症例によっては、前投薬の効果が不十分な症例があり、投与量の増加や適応について更に検討することが必要であると考えられた。