一般演題

セッション:ポスター 7
セッション名:CABG
日時:9月21日 16:10-17:10
場所:504会議室
演題順序:2番目

CABG術後早期離床、早期リハビリ開始を目的とした周術期管理における心臓麻酔

近森病院 麻酔科1
岡山大学 医学部 麻酔蘇生科2
○渡辺泰彦1、須賀太郎1、西森俊人1、畠中豊人1、小坂 誠2
当院では心臓外科患者の周術期管理において、早期に離床、リハビリをはじめることを目標にして関係する各部門が協力している.その背景として早期離床、リハビリ開始により経済的には医療資源の省力化に貢献できること. また早期離床は呼吸器合併症などを軽減する可能性があること. さらに早期リハビリ開始は精神的な面では回復意欲の向上が期待できる. 麻酔科としてはその一環として術後すみやかに人工呼吸から離脱できることを目標とした麻酔管理をおこなっている. 今回、当院での麻酔法および一連の周術期管理のアウトカムについて検討をおこなった. 
【対象】2000年7月から2002年4月までの間におこなった予定CABG患者 140例( on-pump 97例, off-pump 43例).平均年齢68歳.
【方法】麻酔は前投薬として塩酸モルヒネ投与後、少量のフェンタニルとプロポフォール、酸素にて導入維持をおこなった. 麻酔中はBISモニターを装着しスコアは40〜60となるように麻酔薬の投与量を調節した.
【検討項目】手術時間、麻酔時間、使用したフェンタニルの総量、体重あたりの量、使用したプロポフォールの総量、体重あたりの量、手術終了から抜管までの時間、手術室抜管、当日抜管した割合、および早期抜管に起因すると考えられる合併症の有無.アウトカムについては術後はじめて経口摂取、離床(立位)、歩行できた日について検討した.
【結果】平均手術時間282±71分、平均麻酔時間は353±72分であった. フェンタニルの平均使用量は695±187μg,体重あたりの量は11.9±2.9μg/kg, プロポフォールの平均使用量990±363mg,体重あたりの量は16.8±5.4mg/kgであった. 抜管までの平均時間は213±676分,手術室抜管は140例中78例( 55.7%)、当日抜管は50例( 35.7%)であった. 再挿管例は無かった. 出血による再開胸止血術は2例あった. 術後はじめて経口摂取した日はPOD1が 130例 ( 92.9%) POD2が5例( 3.6%)、はじめて離床(立位)できた日は POD1が 109例( 77.9%) POD2 が23例( 16.4%)、歩行できた日 POD1が 85例 ( 60.7%) POD2 が36例( 25.7%) であった.
【結語】CABG術後早期離床、早期リハビリ開始を目的とした周術期管理の一環として術後すみやかに人工呼吸から離脱できることを目標とした麻酔管理をおこない安全に施行できた.