一般演題

セッション:ポスター 11
セッション名:経食道心エコー
日時:9月22日 15:40-16:40
場所:405会議室
演題順序:1番目

経食道心エコーによる僧帽弁置換術中における合併症の評価

国立循環器病センタ− 麻酔科1
大分医科大学 麻酔科学教室2
○藤本 淳1、大西佳彦1、能見俊浩1、堀之口典子1、稲森紀子1、伊東浩司2、野口隆之2、畔 政和1
 弁置換手術における経食道エコー(TEE)術中評価の有用性は知られているが,外科的合併症発見の割合や,術中追加手術の頻度を検討した報告は少ない.今回我々は僧帽弁置換手術(MVR)を対象としてTEEの評価診断を検討したので報告する.
対象:1999年9月から2002年5月までの2年9ヶ月の間にMVRが施行された連続190症例を対象とした.再手術症例37症例,僧帽弁狭窄症58症例,僧帽弁狭窄兼逆流症52症例,僧帽弁逆流症40症例,僧帽弁腫瘍3症例であった.
結果:使用された人工弁は機械弁166症例,生体弁24症例であった.術中TEE評価により,人工心肺離脱前に追加手術が施行されたのは16症例であった.追加手術の原因はStuck valve5症例,Peri valvular leakage8症例,Trans valvular leakage1症例,Left ventricular rupture2症例であった.Trans valvular leakage,Left ventricular ruptureの3症例はいずれも生体弁であり,弁を交換して再手術が施行された.人工心肺離脱後のTEE評価では,Peri valvular leakage (trivial-1/4) を17症例に,Trans valvular leakageを1症例に認めた.追加手術もしくは残存逆流を残した29症例(5症例で重複)の検討では21症例が機械弁,8症例が生体弁であった.
結語:僧帽弁置換手術術中TEE評価により,約9%が再手術を必要とし,10%で残存逆流が確認された.また,術中合併症は生体弁で有意に多く見られた.僧帽弁置換手術の約16%でTEEの有用性が確認された.