パネルディスカッション

セッション:パネルディスカッション(3)
セッション名:高齢者大動脈弁狭窄症を考える
日時:9月22日 10:00-11:30
場所:メインホール
司会の言葉

高齢者大動脈弁狭窄症を考える

新葛飾病院
○稲田英一
 心疾患を合併する高齢者の心臓手術および非心臓手術もしばしば行われるようになっている。大動脈弁狭窄症(AS)で大動脈弁圧較差(AVG)が50mmHg以上ある場合には、大動脈弁置換術(AVR)の適応となる。また、ASで失神、狭心症、心不全などの症状が出現した場合は予後不良であり、AVRが必要になる。問題となるのは、有意なASがありながら、1回拍出量が少ないために平均AVGが高くない(30mmHg以下)場合である。しかも、高齢者では冠動脈狭窄も合併している場合がしばしばある。手術が成功した場合には、長期予後は悪くはないが、入院時死亡率は高いと報告されている。
 重症ASがあり、しかも心機能が不良で、冠動脈疾患を伴っているような高齢者の術前評価や管理、麻酔管理、術後管理をどう行うか、外科的なストラテジーはどうあるべきかなど、周術期管理について活発な議論が行われることを期待している。