パネルディスカッション

セッション:パネルディスカッション(5)
セッション名:Off pump CABG:PDEV阻害薬のPro/Con
日時:9月22日 14:05-15:35
場所:メインホール
司会の言葉

Off pump CABG: PDEIII阻害薬のPro/Con  司会の言葉

兵庫県立姫路循環器病センター 麻酔科
○中馬理一郎
冠動脈バイパス術(CABG)において、人工心肺を用いないoff-pump CABG(OPCAB)が近年急激に増加してきている(日本胸部外科学会の報告によれば1999年本邦で、単独CABG17735例中2775例-15.6%-で前年度に比べ50%増加している)。従来は適応がhigh risk症例(脳血管障害、肝、腎障害、高齢、上行大動脈病変など)に限られていたが、手術手技及び器具の改良により心後面の冠動脈にも吻合が可能となり、多枝病変にも積極的に行われるようになり、OPCABを第一選択とする術者もでてきている。OPCABは低侵襲である一方麻酔科医にとってはストレスが多く、また外科医と麻酔科医の意志疎通がより求められる手術でもある。
OPCABの麻酔管理として、(1)冠動脈吻合時の非動化(2)冠動脈遮断時の虚血対策(3)心後面の冠動脈吻合時の血行動態維持が問題として挙げられる。かつては、冠動脈吻合時の心拍数のコントロールが一番の課題であったが、stabilizerの改良でそのニーズは減少し、(2),(3)が問題となり、時に循環管理に難渋する。PDEIII阻害薬はinodilatorとして急性心不全の治療にその有用性は広く認められているが、OPCABでの使用の意義については論議の多いところである。
本セッションでは、OPCABの麻酔におけるPDEIII阻害薬使用についてその問題点をより鮮明にするために、二人の演者にそれぞれ賛成の立場と反対の立場にたって主張していただき、討論をくりひろげたいと考えている。また他に演者として外科医を迎え、 OPCABの手術適応と手術上の工夫という内容で話をしていただき、後の討論に参加してもらいより実りあるセッションにしたいと考えている。討論する十分な時間をとりたいと考え、演者は3人としました。会場の皆様からの活発な参加を期待しています。