一般演題

セッション:ポスター 7
セッション名:CABG
日時:9月21日 16:10-17:10
場所:504会議室
演題順序:4番目

CABG後の経鼻胃管ドレナージ量の検討

筑波大学 臨床医学系 麻酔科1
東取手病院 心臓血管外科2
○斎藤重行1、中山 慎1、豊岡秀訓1、渡辺 寛2
心臓大血管手術中および術後に経鼻胃管を挿入し胃内容を持続的にドレナージすることは一般的である。最近では、術後人工呼吸からの早期離脱、気管チューブの早期抜管が行われている、また、開腹し胃動脈を使用するバイパス術や、オフポンプ下の手術が一般的になっており、経鼻胃管は、患者にとって不快であるばかりでなく誤燕性肺炎の原因ともなり早期抜去が望ましい。今回、CABG術中、術後の胃内容の持続吸引量を測定し、手術方法による違いを検討したので報告する。
対象:CABG患者を対象にした。麻酔方法は、フェンタニル、ドルミカム、イソフルランを用いて、人工心肺下開胸群、人工心肺下開胸開腹群、それに人工心肺非使用群にわけて術中術後のドレナージ量を低圧持続吸引下に抜去時までの量を測定した。
結果;総数19症例数中 人工心肺下開胸群13例では 術中12ml 術後123mlの胃内容のドレナージがあった。手術時間は258分、気管チューブ抜去まで355分 経鼻胃管抜去まで717分であった。 人工心肺下開胸開腹群4例では、術中 150ml.術後443mlのドレナージ量であった。人工心肺非使用群では術中 10ml.術後120mlのドレナージ量であった。全症例とも胃管挿入にともなう合併症等はみられなかった。
考察:胃内容の持続的吸引は、人工呼吸中の胃拡大を防ぎ、誤燕を防ぐ意味で用いられているが、人工呼吸早期離脱が可能となるとその必要性には疑問が生じる。麻酔前投薬にはH2ブロッカーを使用していたが、開腹群では有意に胃内容量が多く、また術後も多かった。開腹しないCABGでは、術中の胃内容のドレナージのみで、長期に留置する必要はないと思われる。