《ご挨拶》
日本心臓血管麻酔学会 理事長 武田純三
| 平成17年1月より、日本心臓血管麻酔学会の理事長を、国立循環器センターの畔 政和 先生より引き継ぐことになった。本学会は、故 藤田昌雄 先生が1996年に設立された、比較的若い学会である。本学会の特徴の第一に、若い麻酔科医が数多く参加していることが上げられる。数ある麻酔科関連の学会の中で、現場で働いている若い麻酔科医が数多く参加する、活気のある学会である。 また、循環器内科医や心臓外科医の参加も多い。心臓血管麻酔は麻酔科医単独では成り立たない。循環器内科医、心臓外科医、臨床工学技師、看護師との連携が必要である。心臓血管麻酔では、麻酔科医、外科医、看護師および臨床工学技師が一体となってチームで行う医療が要求され、チーム医療を学ぶ良い教育のチャンスでもある。 心臓血管麻酔の進歩は、心血管手術の開発、モニターを始めとする医療機器の進歩、麻酔薬・心血管作動薬などの新しい薬剤の出現に支えられて伸びてきたといえる。中でも経食道心エコー(TEE)の介在の影響は、他領域の麻酔の進歩を凌駕して本学会の主役の一つになってきた。第9回国際心臓血管麻酔学会と合同で開催した第9回日本心臓血管麻酔学会でTEEの試験を開始し、日本周術期経食道心エコー認定委員会:Japanese Board of Perioperative Transesophageal Echocardiography (JB-POT)を設立したことは、今後の日本心臓血管麻酔学会にとって大変重要な意味を持ったと考えている。 また、米国心臓血管麻酔学会:Society of Cardiovascular Anesthesiologists(SCA)との交流が親密であることも、本学会の質を高めていくために重要な役割を果たしている。たとえばTEEの試験問題作成においては、SCA・NBEに多大な協力を得ており、試験内容のレベルを向上させるのに大いに役立っている。 医療の安全が叫ばれている中で、モニターと教育が安全のための要である。TEEを始めとする心臓血管領域で利用されるモニターの心臓血管麻酔の安全に果たす役割は大きいが、一方で教育も安全のためには必須の条件である。教育には、一層安全な医療を行うため新しい技術を学ぶ教育の他に、日常臨床で行われている医療レベルを身に付けるための教育がある。心臓血管麻酔は、循環器に関しての幅広い知識が必要で、麻酔の専門性を養うための重要かつ基本的な事項をなしている。今後、本学会では麻酔科のSubspecialtyとしての専門性を確立していく必要があると考えている。そのためには、この二つの教育をバランスよく行うことが要求されていると思う。 日本の麻酔学の発展のために日本心臓血管麻酔学会の果たす役割は大きい。本学会の方向性を打ち出し、まとめ役としての理事長としての責任を強く感じるところである。 |
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