日本心臓血管麻酔学会第21回学術大会

会長挨拶

会長:小出康弘 日本心臓血管麻酔学会第21回学術大会
会長 小出 康弘(湘南鎌倉総合病院/葉山ハートセンター 麻酔科 統括部長)

日本心臓血管麻酔学会第21回学術大会では、心臓血管治療の低侵襲化などの時代の流れの中で今後麻酔科医がどのようなことができるのか、またはすべきなのかを皆で考えていきたいと思います。また、専門医制度が新たに始まるこの時期に、これまでの20年間積み上げてきた活動をベースに、新たな目標を定めて心臓血管麻酔専門医の意義を広く発信していきたいと考えております。

Structual Heart Disease (SHD)は対する治療戦略は大きく変化してくることが予測されます。2013年10月にTAVIのデバイスが保険収載されたのをきっかけにして、TAVIではより確実で安全なデバイスの開発、さらにMitraClipの臨床応用と今後さらなる発展が期待されています。

この学会の牽引役であるJB-POTに関しても、MitraClipの出現によってTEEガイドの手技が行われるようになり、麻酔科医もさらなるチームワークが求められるようになると思います。より詳細な観察が必要になり、近年のエコー装置の技術向上とあいまって、Basic TEE, Advanced TEEよりもさらに上位の「Super-Advanced」の診断力が求められるようになります。心臓血管麻酔専門医もこのような術前診断・術中管理に関与することによって新たな展開を感じてほしいと考えております。

今学会ではこのSHDに注目して、2014年にACC/AHAが発表した「2014 AHA/ACC Guideline for the Management of Patients With Valvular Heart Disease」をテーマとして、このガイドラインのTask Force MemberであるFrank W. Sellke先生の基調講演とシンポジウムを計画しています。このガイドラインではハートチームの概念や弁疾患の重症度など新たなコンセプトがつまっており、今後SHDの周術期管理をする上でよく理解しておく必要があると考えています。

JSCVAは以前から心臓血管領域の他の学会と協調して運営しており、この学会ではその関係をさらに前進させ、「The Best of Deairing」や「Rapid Echo Response Team」など新たなコンセンサス形成を目指すようなテーマを企画します。

また、従来のセミナーやワークショップの内容も改訂を行い、危機管理に対応したシュミレーションや多職種参加型シュミレーションを企画しております。コメディカルの方にも多く参加していただけるように多彩なプロブラムを企画いたします。

一般演題はデジタルポスターでの発表を計画しております。動画再生も可能で多彩なプレゼンテーションができます。開催翌日は休日になりますので、横浜の地でゆったりしながら大いに新たな技術・知識を得ていただきたく、皆様のご参加をお待ちしております。

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