ご挨拶

日本心臓血管麻酔学会第27回学術大会 会長
北川 裕利(滋賀医科大学 麻酔学講座 教授)

 この度、2022年9月17-18日の会期で京都市において日本心臓血管麻酔学会第27回学術大会を主催させていただきます栄誉を賜りましたこと、皆様に心から感謝を申し上げます。この大会が開かれる時期はコロナワクチン接種が相当進み、従前のような学会が開催できることを期待し、オンサイト企画を多く取り入れたハイブリッド方式とさせていただきます。

 2年にわたる新型コロナ感染症の流行により学術集会もWEB開催が当たり前になりました。WEBは情報伝達としてはとても優れ、時間に縛られない、移動が要らないなどのメリットにより多くの参加者に喜ばれています。一方、オンサイトの意義は学会場での直接議論から得られる知識や先輩の経験談、激励の言葉などを得ることのできる数少ない機会であると思います。とくにフロアでの立ち話などは決してWEBでは得られない出会いとコミュニケーションの場であり、こうした機会から日本の心臓血管麻酔の基盤が涵養されていくのではないでしょうか。そこで両者それぞれの良さを活かすべく、教育講演・専門医レクチャーなどはWEB配信とし、議論を中心としたセッションはオンサイトとしました。特に一般演題は若手医師の議論の場として重要と考え、口演発表の機会をできるだけ多く設けたいと考えています。

 大会のテーマは「心臓血管麻酔の今を知り、未来を探る」としました。これは日々多忙な会員の皆様に本大会のプログラムを通して心臓血管麻酔の現状を供覧・議論し、未来を創造するようなシーズを探る端緒になればとの思いを込めました。近年、心臓血管外科では従来の開心術からデバイス等を用いた低侵襲手術が台頭し、求められる知識や経験の範囲がますます拡大しています。こうした外科分野の発展と医療イノベーションは心臓血管麻酔においても新しい医療の創出と進化を生み出すに違いありません。そうした中で現在確立された手術から今後期待される手術まで様々な手術手技を麻酔科医の目線で学べるよう、幅広いスペクトラムでのセッションができればと思っています。また、心不全をはじめとする心血管疾患患者数は激増し、心臓血管麻酔で扱う領域も飛躍的に広がっています。また、成人先天性心疾患やフレイル高齢者などへの対応に加えて、Big data、AIなどの循環器病学の新分野にもフォローが必要です。診療体制においても医師だけではなく多職種がかかわるチーム医療へと広がっています。これらの領域をできる限りカバーするように、招待講演や教育講演、シンポジウムに加えて、意見の異なる問題を徹底的に議論するプロコン、最先端の情報を提供する文献レビューや教育講演などを学術委員の皆様のご協力のもと魅力的な企画を準備しています。

 最後になりますが、オリンピック・パラリンピック選手の活躍めざましい東京大会でしたが、新型コロナ感染に対する医療体制の逼迫もあり、手放しで喜べない毎日が続きました。このような状況で日々目の前の患者を救うために奮闘しておられる皆様に敬意を表します。2022年はコロナ禍を乗り越えた初の学術集会として、多くの先生方にオンサイトの良さを再認識していただく機会になることを切に願っています。多くの先生方のご参加をお待ちしています。

 

2021年10月1日