学会概要
理事長のご挨拶

このたび理事長職を拝命しました。わたくしは日本心臓血管麻酔学会発足時、事務局長として学会に寄与させていただきました。米国麻酔学会を模範として、当時まだ一般的でなかった電子媒体による抄録投稿、学術委員会を中心とした大会プログラムの作製などを会務として決め、実行してまいりました。
初代理事長の故藤田昌雄先生は、米国心臓麻酔学会からの強い要請として日本のカウンターパートナーとしての本学会の設立を創案され、継続的な大会企画、国際交流を二本柱とされました。この流れは畔理事長、武田理事長と引き継がれ、とくに武田先生が大会長の2004年に創設された経食道心エコー試験(JB-POT)は毎年500 名以上の受験者をむかえるまでに発展し、学会員も3,000名を超えました。2009年度には日本心臓血管麻酔学会専門医制度が開始され、2014年4月からは一般社団法人日本心臓血管麻酔学会として法人組織に移行いたしました。
このように学会としては順調な発展をとげてまいりましたが、まだまだ解決すべき多くの問題をかかえております。ひとつは、専門医機構への加入条件としての学会の組織運営の整備、学会誌の活性化、国際化の発展などです。また、心臓カテーテル手術領域の進展につれ心臓関連学会とのさらなる交流が重要です。とくにJB-POT試験の認定医資格も必要とされ、心臓血管外科専門医や体外循環技術認定士との交流をさらに深めることがおおきなTaskとなっております。
本学会は、研修医制度、専門医制度、日本麻酔科学会とつながる縦の連携がひとつの柱ですが、日本心臓血管外科学会、日本心エコー図学会、日本体外循環医学会、看護領域の学会など横の連携が特徴であり、関連学会との人的、質的交流をさらに深めていきたいと思っております。
このような学会の習熟した発展期に理事長職を拝命することは身の引き締まる思いです。会員の意見を丹念にお聞きするという従来の姿勢を保ちながら、会務をつとめていきたいと思います。会員のみなさまのご協力、ご意見をよろしくお願いします。
一般社団法人 日本心臓血管麻酔学会 理事長
野村 実